2008年06月04日
農業の問題を経営戦略から見ると・・・

農業について考えてみたくなりました。
もちろん、農業に関する技術などは、
私にはほとんどわかりません。
農家1軒1軒の経営について考えてみたいのです。
農産物がどのように売られているかというと、
各農家から大量に集められ、
それを全国各地の消費地、
特に人口の多い大都市などを中心に
供給されているわけですね。
このためには、運びやすく売りやすくするために、
規格化する必要があるわけですね。
また、必要な量が確保できるよう、
化学肥料や農薬を用いて収量の安定化を図る必要もあります。
日々必要な量を提供するためには、
農産物を新鮮に保ちながら在庫として持っておくために
倉庫施設が必要になりますし、
運送手段も確保しなくてはなりませんね。
これらのことを行っていくには、
資金が大量に必要になりますから、
農家が1軒であるいは数十軒くらい集まったとしても、
対応できるものではありません。
そこで、農協という仕組みが必要となります。
それもどんどん規模を拡大していかないと、
対応できなくなってきているわけですね。
非常に大雑把な言い方ですが、
現状はこうなっていると思います。
ここで問題なのは、これが強者の経営戦略であることです。
経営戦略には、
一定の条件を満たした1位の会社だけが使える「強者の戦略」と
その他の会社が取らなければならない「弱者の戦略」とがあります。
そして、弱者が強者の戦略を取ると、
経営の効率が著しく低下して、大きなロスが生まれてしまいます。
そこで、農業に話を戻すと、
国内だけの話で済んでいた昔は、
農協自体が強者として振舞うことができましたので、
この仕組みがうまく行っていましたが、
海外からの農産物が安く大量に入るようになり、
農協はもはや強者ではなくなったのですね。
でも、未だに強者の戦略を捨てられていません。
ここに、農業の問題、農家の経営の問題が、
ぎゅっと詰まっていると考えます。
(つづく)
Posted by hiroyuki at 13:42│Comments(0)
│ランチェスター